陥没乳頭で起こりやすい体へのリスク~どんな病気になりやすい?

陥没乳頭である場合、見た目が恥ずかしい、人にあまり見られたくないといった精神的なお悩みが多いですが、それ以外に体へのリスクがあることはご存知ですか?

当サイトが実施した陥没乳首の方を対象としたアンケートにおいても、精神的な悩みと同時に病気などの体へのリスクについて不安を感じている方が一定割合いらっしゃいました。

Q.乳首のことでお悩みや困ったことを、具体的に記入してください。

  • 陥没しているため、病気等になりやすいのではないかということ。
  • 乳腺炎にもなりやすいと言われたので嫌だなあと思いました。

調査実施:Shinobiアンケート 母集団:436,664名 対象者:全国の女性15歳~70歳 有効回答数:400 実施期間:2018年9月13日~9月25日

アンケートにおいては、実際に病気になった回答はありませんでしたが、陥没乳頭であることによってどのような病気が発生しやすくなるのか、症状別に解説してみたいと思います。

乳腺炎

まず、陥没乳頭の状態で最もなりやすいといわれているのが乳腺炎という症状。

これは、乳房の中にある乳首につながっている乳腺と呼ばれる母乳を作り出す部分に炎症が起こることで発生します。

どんな症状?

乳房が腫れて、圧迫されるような痛みや、チクチクとした違和感を感じることがあります。

服やブラジャーがこすれるだけでも痛みを感じることもあり、発熱を伴ったり、悪寒や風邪のような倦怠感を伴うことがあります。

なぜ陥没乳頭では起こりやすい?

乳腺炎の多くは、授乳を開始してから、母乳の詰まりなどによって発症することが多いのですが、陥没乳頭の場合は陥没部分に汚れや垢がたまり、細菌が繁殖しやすい環境になりやすいことが原因とされています。

細菌が繁殖していると、乳頭の入り口から乳腺部分に細菌が侵入することで、乳腺炎を引き起こしてしまいます。

乳腺炎はどのように治療する?

乳房の痛みと同時に発熱など風邪のような症状を感じたらできるだけ早期に病院で診察してもらうことが重要です。

治療は主に痛みを抑える鎮痛剤、熱を取り除く解熱剤とともに、原因となる細菌を死滅させる抗生物質を用いた投薬治療が中心となります。

治療にかかるのが早ければ早いほど、症状も軽度で収まりますが、治療せずにそのままにしておくと、中に膿がたまってしまい、注射器による吸出しなどを行う必要があります。

陥没乳頭が原因による乳腺炎はどのように予防したら良い?

細菌を繁殖させないよう、常に清潔な乳首の状態にしておくことが一番の予防法となります。

陥没乳頭の場合、自分ではキレイにしていると思っていても、陥没部分に汗による汚れが以外に残りやすく、垢がたまり、細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまうことになります。

具体的にどのようにケアしていけばいいのかについてはこちらのページにくわしくまとめています。

乳輪下膿瘍(にゅうりんかのうよう)

乳腺炎が乳房の中で起こる炎症に対して、乳輪下膿瘍は、乳輪周辺の皮膚や粘膜の表面に炎症ができ、膿となってやがて深くえぐれてしまう(潰瘍)症状のことです。

こちらも陥没乳頭になっている方が併発しやすいとされています。

どんな症状?

乳輪の下に潰瘍ができることによって、しこりのようなものができ、赤みのある腫れや乳輪部分に痛みも起きやすくなるといわれています。

さらに、時間が経過すると、つながっている乳腺の部分から膿も出るようになり、痛みの範囲も広がっていきます。

この膿を取り除くことによって一時的におさまることがありますが、時間が経過すると再発を繰り返すことが多い症状です。

なぜ陥没乳頭では起こりやすい?

乳腺炎と同様に陥没乳頭の場合、汗などの汚れによって細菌が繁殖しやすい環境ができ、母乳の出口である乳頭部分から細菌が侵入し、乳輪の下に膿ができやすくなるのが原因といわれています。

乳輪下膿瘍はどのように治療する?

乳輪下膿瘍の場合、膿が発生しているため、おもに乳腺外科において、まず膿を吸い出す治療が行われます

膿の程度や発生箇所の広がりによって注射器や切開手術で膿を除去していき、その後は細菌を死滅させるための抗生物質を投与しながら治療をすすめていきます。

ただし、乳首の下には多数の乳腺があるため、一度の治療ですべての膿がとりきれるというわけではなく、残った部分から再発する可能性もあります。

どのように予防したら良い?

やはり乳腺炎と同様に普段から乳首の部分を常に清潔にしておき、細菌は繁殖しにくい環境を維持することが大切です。

また、陥没している部分を器具やクリームを使うことで乳首を引き上げ、汚れや垢がたまらない状態にする方法もひとつあるといえます。

どのような方法があるかについては以下のページをご覧ください。

まとめ:病気にならないためには、乳頭部分を普段から清潔な状態に

ここまで、陥没乳頭によってなりやすい病気を2つご紹介しました。

どちらも共通することは、陥没乳頭部分に汗や垢がたまりやすいことによって、細菌が繁殖しやすく、それが体内に侵入することから起こってしまいます。 

予防するためには、普段からできるだけ乳頭の部分を清潔な状態にたもつことが大事であるといえるでしょう。

また、陥没乳頭の程度によっては、乳頭吸引器や、改善クリームを使った保存的治療、または手術によって、改善できる場合があります。

根本的に陥没乳頭を治したいという方には、こちらも検討してみてはいかがでしょうか?

※このサイトは、株式会社ピュアナスが陥没乳頭への啓発を目的に情報を提供しているサイトです。サイト内で紹介している具体的な医療機関への診療方法については情報提供も行うことができません。診療方法等については、直接医療機関にお問い合せくださるようお願いいたします。
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