目次
- 陥没乳頭っていったいなに?
- どれくらいの人が陥没乳頭になっているの?
- なぜ陥没乳頭になってしまうの?
- 陥没乳頭のままだとどんな問題が起こりやすい?
- 陥没乳頭は自然に治ることはあるの?
- 陥没乳頭はどうやって治していくのですか?
- 仮性陥没乳頭をマッサージでケアする方法は?
- 乳頭吸引器を使って本当になおるのですか?どんな種類がありますか?
- 陥没乳頭改善クリームは効果がありますか?
- 陥没乳頭の手術ってどんなことをするのですか?
- 手術にかかる費用はどれくらいかかるの?保険は効くのですか?
- 手術をすることによって、どんなリスクがありますか?
Q.陥没乳頭っていったいなに?
基本的には、乳頭(乳首の部分)がつきださず、奥に引き込まれてへこんでいる状態になっていることをいいます。
正常な乳頭の形と比べると、ちょうどこのような図の形のようになります。
正常な陥没乳頭の状態
陥没乳頭の状態
通常の乳頭は、乳輪から綺麗な半円形の状態でぷくっと膨らんでいます。
しかし、陥没乳頭になると、乳頭が表面に突き出さず、乳輪の下にへこんでいる状態になっています。
さらに、下の2つの状態も広い意味で「陥没乳頭」とおなじような疾患であるとされています。
- 乳頭が埋まってしまい乳輪と高さに境目がない(扁平乳頭)
- 手やピンセットや搾乳機、吸引器で引っ張ると通常の状態になる
- 乳頭を引っ張ることをやめると、すぐに陥没していく
いずれの状態も共通して言えますが、陥没乳頭になっていると、見た目的に通常の乳頭とは“違う状態である”と覚えておきましょう。
Q.どれくらいの人が陥没乳頭になっているの?
陥没乳頭になっている人って実際どれくらいいるのでしょうか?
過去の論文データをみると、陥没乳頭の発生頻度としては、全体のおよそ1.8%~3.3%の頻度で発生しているとされています。
今回、陥没乳頭相談室では、全国の女性400人を対象にアンケートを実施し、乳頭のタイプをうかがったところ、
乳首が陥没している、または乳輪と同じ高さであると答えた方は全体の5%、わずかしか突起していない方を含めると全体の20%にのぼることがわかりました。
全国の女性400人に聞いた、あなたの乳頭はどんなタイプですか?
- 正常…65%
- 出ているが先端が裂けている…15%
- わずかにしかでていない(1cm未満)…15%
- 乳輪との高さに境目がない…3%
- 下に埋もれている(陥没)…2%
調査実施:Shinobiアンケート 母集団:436,664名 対象者:全国の女性15歳~70歳 有効回答数:400 実施期間:2018年9月13日~9月25日
多くの人がなっているわけではなく、まれな疾患であるといえますね。
Q.なぜ陥没乳頭になってしまうの?
陥没乳頭って、なにか病気によっておこるものなのでしょうか?
いえ、ほとんどの場合、病気によって起こるのではなく、基本的には思春期~妊娠期に発生する先天性であるといえます。
できることならなりたくない陥没乳頭ですが、病気という訳ではありません。
そもそも、乳頭というのは、赤ちゃんが母乳を吸う際の飲み口となる役割があります。
そこには母乳を運ぶ「乳管」というものがつながっています。
8~9歳から17~18歳までの思春期に乳房が成長するときには、この乳管も同時に成長していきます。
しかし、なんらかの理由で乳管だけの成長が遅くなったり止まってしまったりすることで、乳頭が内側に引き込まれ陥没乳頭になってしまうことが多いのです。
なぜ成長が遅くなったり、止まったりするのかはいまだもって医学的にも解明されていませんが、少なくとも陥没乳頭は病気ではなく成長期の過程で起こる先天性の疾患であることが分かりますね。
よりくわしく陥没乳首になってしまうメカニズムを知りたい方は、こちらのページをご参考ください。
ということは、小さいころから陥没乳頭になっていることが多いのですか?
一概にはいえないものの、若いうちから陥没乳頭の状態である方が多いといわれています。アンケートの結果でも6割近くの方が成人までに自覚されていました。
- 生まれてすぐ~20歳まで 45人 57%
- 21歳以上 31人 39%
- その他 2人 2%
Q.乳首がこの状態であるといつ自覚しましたか?(陥没乳頭、扁平乳頭に該当する方 n=78)
Q.陥没乳頭のままだと、どのような問題がおこる?
陥没乳頭はそのままにしておいても大丈夫なのですか?
陥没している程度にもよりますが、将来授乳しにくかったり、炎症になりやすいなどのリスクがあります。具体的にどのようなことが起こりやすいか、まとめてみてみましょう。
授乳がしにくくなる
陥没乳頭の場合、将来母乳で育児をする場合、授乳に苦戦するという大きな問題があります。
赤ちゃんは乳頭をくわえることで、おっぱいから母乳を吸うのですが、陥没乳頭の場合はそもそもくわえる場所がない、もしくはくわえにくいため、うまく吸うことができず授乳に苦戦します。
また、くわえることができたとしても、吸う力がじゅうぶんに伝わらず、母乳が出にくくなる問題も発生します。
おっぱいの時間がくるたびに、赤ちゃんがうまく母乳を吸うことができずに泣いてしまうことから、母乳で育てる場合、苦労が伴うことが陥没乳頭の一番の問題といえます。
それを解決するためのコツもいくつか存在しているため、以下のページでくわしくまとめています。
乳頭のかゆみが発生しやすい
乳頭や乳輪の部分は、他の肌に比べてデリケートであり、陥没乳頭であると、ちょうどおへその穴のような状態になってしまうので、汚れや垢などがたまり、かゆみが発生することがあります。
通常の乳頭であれば毎日のお風呂で綺麗に洗うことができ、清潔な状態を保つことができますが、陥没乳頭の場合は陥没している部分を毎日しっかり洗わないと垢や汚れはどんどん溜まってしまいます。
そのため通常の乳頭よりもかゆみを発生しやすくなるといわれています。
実際に、陥没乳頭、扁平乳頭に該当する方でもこのようなお悩みがあることが寄せられました。
Q.乳首のことでお悩みや困ったことを、具体的に教えてください。(陥没乳頭、扁平乳頭に該当する方 抜粋)
- この秋の時期や冬になると乾燥してきて、かゆみがある事です。
- ブラジャーに擦れていまい、とても痒くなる時やカサつく時がある
- 時々かゆくなることがあります。恥ずかしいので病院には行っていません。
夏など汗をかくと非常にかゆみをともなうことがある調査実施:Shinobiアンケート 母集団:436,664名 対象者:全国の女性15歳~70歳 有効回答数:400 実施期間:2018年9月13日~9月25日
乳腺炎のリスク
垢や汚れが溜まると同時に、雑菌が繁殖しやすい状態が続いた場合、細菌が乳房の内部に張り巡らされている母乳を作り出す役割を持つ乳腺(にゅうせん)に侵入し、乳腺炎と呼ばれる症状を発症するリスクが高くなります。
発症すると、おっぱいにしこりができたり、炎症や腫れ赤みなどの症状が現れたり、ひどい症状になると熱や悪寒などの症状も発生することがあります。
陥没乳頭の場合は、乳頭が奥に引っ込んでいるため、洗うことが難しく乳頭を清潔な状態に保つことが難しくなります。
他にも陥没乳頭が原因で起こってしまう病気は以下のページでくわしくまとめています。
陥没乳頭で授乳するためのコツというももいくつか存在しているため、以下のページでくわしくまとめています。
陥没乳頭で起こりやすい体へのリスク~どんな病気になりやすい?
精神的な問題
他の人と見た目が違うから、「恥ずかしい」と思うこともあるのではないでしょうか?
そうですね、特に思春期の多感な時期には、コンプレックスのひとつとして悩みを抱えてしまうことがあるかもしれません。
実際にアンケートに寄せられた悩みに関する回答を見ると、一部以下のような意見が寄せられていました。
Q.乳首のことでお悩みや困ったことを、具体的に教えてください。(陥没乳頭、扁平乳頭に該当する方 抜粋)
- 友達などに見せるのがとても恥ずかしいこと。
- 男性に他の女性と比較される事でしょうか。
- 友達と温泉に入るときに見られるのではないかとドキドキしてしまいます。また、彼氏に見られるのもとても嫌で、コンプレックスに思っています。
- 普段は誰にも見られることはありませんが、温泉では手で隠しています。
調査実施:Shinobiアンケート 母集団:436,664名 対象者:全国の女性15歳~70歳 有効回答数:400 実施期間:2018年9月13日~9月25日
すべての方が同じような思いをしているわけではないものの、このようなお悩みを誰にも相談できずにずっと抱えているよりも、改善できれば…と思われている方は多いかもしれません。
Q.陥没乳頭は自然に治ることはあるの?
陥没乳頭はやっぱり自然には治らないのですか?
妊娠のタイミングで治ることもありますが、ほとんどの場合、そのまま続いてしまうケースが多いです。
日本形成学会のホームページによると、妊娠をすると出産をするまでのあいだに女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が増えるため、乳頭が以前よりも成長し自然に陥没乳頭が治る場合があります。
(参照:日本形成学会)
ただし、出産の予定がなかったり、確実に改善していきたいと考えたりしている方は、マッサージや吸引器、改善クリームなどを使う保存的治療、もしくは手術療法をとることをおすすめします。
Q.陥没乳頭はどうやって治していくのですか?
治すことで見た目的にも普通のヒトのような乳首にはできるのでしょうか?
現在では改善できることが多いといわれています。
そのためにまず、現在の乳頭の状態がどのようなものか、簡単に調べてみましょう。
乳首をさわってみて次のいずれかにあてはまるか確認してみましょう。
- 1.指で乳頭に刺激を与えると通常の状態に戻ってある程度の時間維持できる
- その後時間がたつと、自然に乳頭は陥没していく
- 2.指で乳頭に刺激を与えると通常の状態に戻るがすぐに戻ってしまう
- 乳頭を引っ張ることをやめると、維持ができずすぐ陥没していく
この2つのいずれかにあてはまる場合は、仮性陥没乳頭といわれています。
どちらにもあてはまらず、乳首がまったくでてこない状態は、真性陥没乳頭と呼ばれています。
タイプの違いでそれぞれ治療方法は変わってくるのでしょうか?
どちらの状態も手術両方がベストとされていますが、仮性陥没乳頭の場合、保存的治療と呼ばれる方法も選ぶことができます。
保存的治療とは、乳首の部分にメスをいれることなく、マッサージや、乳首吸引器、また改善クリームによって、改善を目指す方法のことです。
体への負担や費用の面などにおいて優れており、何らかの方法で乳首が引き出せる「仮性陥没乳頭」の場合、まず保存的治療をためしてみることが多くなっています。
デメリットとしては、効果が現れるまでに時間がかかるため、時間をかけてじっくり取り組む必要があること、長期的に見て後戻りのリスクが十分に検証されていないことが挙げられます。
マッサージ、乳首吸引器、改善クリームのそれぞれの具体的方法は以下の項目で解説しています。
では手術療法というのは簡単にいえばどんな方法なのでしょうか?
乳頭部分にメスを入れて、引っ張る力を弱めて埋まっている乳頭を引き出すことが基本になり、その方法にはさまざまな術式が存在します。
大きくわけると、将来的に妊娠・出産をする可能性がある方には、将来の母乳の通り道になる乳管を温存する方法があり、授乳する可能性がない方は乳管を切断する方法にわかれます。
さらに、乳頭部分を固定する術式にはさまざまな方法があり、以下の項目でくわしく解説しています。
仮性陥没乳頭をマッサージでケアする方法は?
マッサージで治ればすごくうれしいんですが、難しいのでしょうか?
マッサージ方法はいくつかありますが、毎日根気強く続けていくことで改善する場合があります。ただし、全ての人に有効ではないこと、やり方を間違えずに続けることが必要になります。
ここではホフマンテクニックと呼ばれる代表的な方法をご紹介します。
- 1. 両手の親指を乳首のつけ根部分(乳頭基部)にあて、はさむようにする
- 2. 強めに押して刺激をくわえ、はじくようにひき離す
乳頭を引っ張り出し、乳頭の組織を柔軟にすることによって乳頭が出やすい状況をくせ付ける方法となり、1日5回親指のつける位置を変えながら行います。
マッサージのメリット
特に道具も必要とせず、方法さえわかれば手軽にはじめることができます。
また、1日の中で時間を気にせず、気が向いた時にすぐできることも、続ける上ではメリットをいえます。
マッサージのデメリット
マッサージをはじめてすぐに改善するわけではないため、根気よく続ける必要があります。
また、痛くなるのが嫌だからといって力加減を弱すぎてもダメだし、もちろん強すぎてもいけません。自分ではじめることにより、力加減や方法を間違っていたという可能性もありえるというのもデメリットのひとつと言えます。
マッサージの方法については他にもかありますので、よりくわしく知りたい方は以下のページをご覧ください。
乳頭吸引器を使って本当に治るのですか?どんな種類がありますか?
吸引器と聞くとなんだか痛そうなイメージがあるのですが…実際に治るのですか?
たしかにアイテムによっては、最初に痛みを感じることがあるかもしれませんが、仮性陥没乳頭の場合、一定の効果があることが臨床例で明らかになっています。
乳頭吸引器は基本は空気圧の力によって乳首の部分を引き出し、毎日続けることによって乳首が突き出た状態をクセづけていくことを目的としています。
ケアする時間によっていろいろなタイプが発売されていますが、中でもピペトップ™というアイテムを使用した場合、指で刺激を与えるともとに戻る仮性陥没乳頭の場合、ほぼすべての例で改善が見られたという論文が発表されています。
薬局や通信販売などでいろいろな種類が発売されていますが、大きくわけて次の3つのタイプに分かれています。
- 手動ポンプ式
- 先端についたポンプを手でプッシュすると器具内の空気の圧縮によって乳頭が引っ張り上げられ、乳頭が出てくる仕組みです。
- 電動型
- 機械の先端を乳頭部分に当てるだけで、自動で乳頭吸引してくれます。 電動で空気を圧縮するため、強い吸引力とともに、振動で刺激も与え続けてくれるため、手動ポンプ式や装着型よりも強力な吸引力を持っています。
- 常時装着型の乳頭吸引器
- 手動ポンプ式乳頭吸引機と同じく空気圧で乳頭を引っ張り上げる仕組みですが、ポンプ型はあくまでも短時間の使用に対して、こちらは基本24時間常時装着できます。
小さいサイズで使用していても上からブラジャーをつければ隠すことができるため、日中でも装着型乳頭吸引機により陥没乳頭対策をすることができます。
それぞれのタイプごとに多数のアイテムが発売されており、以下のページでアイテムの特徴や内容についてまとめています。
吸引器を使うメリットとデメリットを教えてください。
仮性陥没乳頭の場合、授乳時に乳首を一時的に引き出す必要がある場合は、ほぼ突き出させることが可能です。指で引き出すことに毎回手こずっているという方は是非試していただきたいです。
デメリットとしては、空気圧の力が強いので、個人差によって痛みを感じる場合があります。
アイテムの種類によっても、力加減は変わってくるので、自分にあった吸引器を選ぶことが必要になります。
また、授乳のときなど一時的な目的で使うぶんには、即効性があるものの、陥没乳頭を本格的に改善する場合には、ある程度の時間がかかることも覚えておきましょう。
Q.陥没乳頭改善クリーム「ピュアナス」は効果がありますか?
「ピュアナス」は、2017年に発売された、塗る「クリームタイプ」の陥没乳頭改善アイテムです。
ピュアナスには、乳頭部分に直接塗ることで、乳頭が奥に引き込まれている力を和らげると同時に、乳首を柔らかくし、常に出やすい状態をサポートする以下の成分が配合されています。
ピュアナスの主要な配合成分
- インドナガコショウ果実エキス
- オリゴペプチド-20
- カミツレ花エキス
3種類のヒアルロン酸
これらの成分が含まれたジェル状のクリームを毎日定期的に塗り込み、さらに付属される乳頭吸引器を使って同時にケアすることで、乳頭が出ている状態をクセ付けていくのです。
さらにピュアナスには、陥没乳頭の方のお悩みに多い、ニオイや、黒ずみをケアできるサポート成分も配合されていて、毎日清潔な状態を保ちながら陥没乳頭のケアもおこなうことができます。
これまで陥没乳頭による、乳首の汚れやニオイに悩まされてきた方にもケアアイテムとして最適ではないでしょうか?
ピュアナスのニオイ&黒ズミケア成分
- ニオイケア成分
- 柿タンニン、シャクヤクエキス、カワラヨモギエキス、天然ローズ油
- 黒ズミケア成分
- アセロラ果実エキス、ワイルドタイムエキス、ユキノシタエキス、キイチゴエキス、ビタボロール
陥没乳頭に悩んでいるモニター50人に実際に2ヶ月間使用してもらい、使用後にアンケートを実施したところ、約7割の方が、以前の状態よりも改善したと回答されています。
ピュアナスの詳しい解説と、アンケートでの評判は以下のページよりご覧ください。
Q.陥没乳頭の手術ってどんなことをするのですか?
真性陥没乳頭になっているとやはり手術を受けないと改善は難しいのでしょうか?
現時点では、手術が最も適した方法となります。健康保険の適用もあり、手術の方法も様々にあり、お医者様によくご相談されることをおすすめします。
指で刺激を与えても、吸引機で吸い上げても乳頭が出てこないという場合は、真性陥没乳頭とよばれる状態であり、病院での手術によって改善を目指す方法があります。
また、仮性陥没乳首でも、程度によって乳頭吸引器やクリームを使用しても改善しない場合、手術療法も一つの手段となります。
病院の何科にかかればよい?
陥没乳頭は、産婦人科、形成外科、美容外科で診察が可能です。
ただし、産婦人科では診察は可能ですが手術はできないため、美容外科や整形外科のある病院を紹介してもらうことになります。
では、いったいどのように陥没乳頭の手術を行うのか、具体的な手術方法についていくつかご紹介します。
陥没乳頭の手術方法
陥没乳頭の手術は、比較的他の手術と比べ難易度が高いといわれ、手術方法もいくつか存在し、ここでは一般的といわれる2つの方法をご紹介します。
Nanba法
乳首の根元にある切り込みを入れ、乳首の根元を切り、乳頭自体を盛り上げることで自然に皮膚が伸びて陥没状態を改善させる方法です。
手術自体は早く終わりますが、たんに皮膚を盛り上げるだけの手術であることから、重度の陥没乳頭の場合、再発のリスクもあるとされています。
Sakai法
皮膚を小さく切開し乳頭を釣り上げ、釣り上げた乳頭の付け根をクロスさせるように縫合することで再陥没を防ぐ方法。術後は乳頭を釣り上げた状態で保護する必要があります。
傷が目立ちにくく再陥没のリスクも少ないが、手術方法が複雑で難しく手術に慣れていない先生が実施した場合2〜3週間ほどで再発したという例もある。
これらは一般的な手術方法ですが、最近ではこれら以外の手術方法も開発されています。
切らない手術方法
手術の後に傷が残るということを嫌がる患者さんが増えてきていることから、最近ではほとんど切らずに手術をする方法もあります。
方法としては、乳頭の根元2mmほどだけを少しだけ切開し、中から乳頭を隆起させ固定し再縫合するという方法です。 手術も簡単のため割安で、傷もほとんど残らないことから、最近では人気の手術となっています。
手術方法について、もっとくわしく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
Q.手術にかかる費用はどれくらいかかるの?健康保険は効くの?
手術費用はどれくらいかかりますか?けっこう高そうな気がするんですが…
基本的には病院によって費用はまちまちです。できることなら、複数の病院を回って検討されることをおすすめします。
実際に以下の13院を対象に手術費用を例に調べてみると以下のような結果となりました。(2018年10月現在調べ、公立病院1院、民間クリニック12院)
- 片側の乳頭のみ:9.9万円〜27万円
- 両側の乳頭とも:18万円〜43.2万円
手術を受ける病院によって安いところ高いところでは2倍以上の開きがあり、この平均値をとると、大体両側とも手術する場合で30万円前後となります。
手術方式や、病院の方針によって、費用は大きく異なるため、ひとつの病院だけでなく、複数の病院を回って術式なども含めて比較検討されることをおすすめします。
また、手術費用は基本的に全額自費負担の診療になりますが、陥没乳頭であることによって授乳障害があると認められる場合、健康保険が適応されます。
その条件は以下の2つになります。
- 1.40歳未満であること
- 2.今後授乳の予定があり、陥没乳頭が原因で授乳に障害が発生したり困難であると疑われたりする場合
保険適用後の価格は院によって異なりますが、目安として5万円前後の自己負担になります。
但し、陥没乳頭の保険適応については病院によって異なるため、下記2点を確認した上で手術を行う病院を選ぶようにしましょう。
- 1.そもそも健康保険が適応される病院であるのか?
- 2.保険適応後の自己負担額はいくらになるのか?
手術費用と健康保険の適用条件については、以下のページでよりくわしくまとめています。
Q.手術をすることによって、どんなリスクがありますか?
たとえば、手術のあと、痛くなったりはれたりすることがこわいです…。
個人差はあるものの、抜糸するまでの間、腫れやむくみ、または痛みが残ることがあります。
一般的に陥没乳頭の手術にから完全に改善するまでは数ヶ月を要するといわれています。
術後の診察や管理も病院によってまちまちなので、実際に受けようと考えている方は、治療が終わるまでにどれくらいの通院が必要で、どんな管理をしてくれるのか、合わせて確認するようにしましょう。
見た目にキズなどは残らないんでしょうか?
現在行われている手術法では、基本的に手術痕などの傷は残りにくく、見た目にはほとんど問題ないケースが多いといわれています。
とはいえ、手術の結果については、受けられる方の陥没乳頭の程度や状態、そして実際の手術内容によって、想定した結果と変わる場合があり、すべての方が同じことになるとは限りません。
特に陥没乳頭の手術は、他の形成外科手術と比べて技術的な難易度が高いといわれています。
どの病院で手術を受けるか選ぶ際には、安易に決めたりせず、しっかりと手術内容やリスクについて自分が納得できるものであるか、病院と相談のうえ検討する必要があるといえるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
陥没乳頭は、他の体に関するお悩みと比べて、疾患となっている方が少なく、また見た目の影響が大きいことから人にも相談しづらく、くわしい情報も少ないため、どのように治していくかについて、わかりづらかったことも多いのではないでしょうか?
程度や状態にもよりますが、陥没乳頭は、手術療法をはじめ、マッサージ、吸引器、クリームなどを使った方法で改善に導くことが可能です。
今現実に陥没乳頭に悩んでいて、改善のための第一歩を踏みだせるきっかけとなれば幸いです。
※このサイトは、株式会社ピュアナスが陥没乳頭への啓発を目的に情報を提供しているサイトです。サイト内で紹介している具体的な医療機関への診療方法については情報提供も行うことができません。診療方法等については、直接医療機関にお問い合せくださるようお願いいたします。
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陥没乳頭って具体的にどんな状態になっていることをいうのでしょうか?